島原半島土木遺産モニターツアーに参加してきました [旅行]
2017年11月18日(土)です。ゲストハウスの目の前、雲仙温泉は朝からモクモク、硫黄のいい香りが立ち込めています。
漢字で書くと土木の日。実は土木学会主催の「南島原の土木遺産モニターツアー」に申し込んでいました。定員はたったの30名と言うことで先ず無理かなと思っていたら長崎県の土木建設課から参加してよいとの連絡がありました。
集合は朝の9時に島鉄の島原駅。ということで前夜から長崎県入りしたわけです。
宿泊はゲストハウス、朝ごはんは前日鈴田峠の道の駅で買っておいた大村鮨です。
まるでケーキのようにカラフル。
伊勢海老の味噌汁もインスタントとは思えないグレードの高さ。
晴れオンナですから(笑)雨マークが曇りマークに変わり、お約束通り今日は降りませんよ。
俵石展望台からの眺め。少し霞んでいますが、
R251の海岸線沿いの道に出ました。
集合場所の島鉄の島原駅はまるでお城のような駅舎です。
モニターツアーの受付を済ませ、本日の資料を受け取りました。
バスが出発すると主催者側の挨拶から。本日はテレビカメラさんも同行されてますよ^^;
今回のモニターツアーの特徴は各ポイントでガイドさんが変わること。つまりそれぞれの専門分野の方から直接お話が聞けるというありがたいイベントです。
第一目的地の島原城に到着。といってもこのモニターツアーの目的はお城の中ではなく、お城の石積みなんです。
二の丸から本丸へ。当時は櫓付きの渡り廊下のようなものが建築されていたとのこと。
お城の鏡石について説明してくださいました。大きいものでは3メートル以上あるとか。
縦に積まれた長い石が当時の技術の高さを物語っています。
こちらは海の中の石を利用したのでしょうか。
続いてお堀の中を見学です。当時はこの間を櫓付きの廊下が渡っていたとのこと。
想像しただけでも楽しいですね。
(個人的には新しく再建された金ピカのお城より、古いままの石垣やお堀の様子を見るほうが好きですヽ(^o^)丿 )
工事中とのことで、お堀の中に入って、下から石垣を見られるとはラッキー
植物の生えているところと生えてないところ、生えてないところは修復された部分で、中に草の生えないシートが貼ってあるとか。
手前の石積みに比べて奥の石済みはカーブがなだらかで、上に行くほど垂直になっています。島原城は何代にも渡り増築していったため年代が違うとのことでした。
島原城の石垣見学を終えて、次に向かうのは武家屋敷跡、
青空に映える皇帝ダリア。さっきまで雨が降りそうな黒雲が晴れオンナ登場で一気に吹き飛んだみたいです(笑)
ここには水路が流れていました。
静かな町並み。実はここは島原城より山手にあり、普通ではお殿さんより上に住むとは考えられないとのこと。扇状地だから仕方がなかったそうです。
水路の水を2方に分ける装置もあるなんてすごい!説明してもらわなかったら絶対に見過ごしてしまいそうでした。
洗い場の跡
ここは倉敷みたいに美観地区にすればいいのにな。島原駅から電動自転車で10分もかからない場所です。おしゃれなカフェがあれば半日楽しめそうですよ。
などと話しながら歩いていたら・・・NHKと新聞社の方から取材がされました^^;
さてバスに戻って次のポイント、アーチ橋へ向かいます。
土木女子ですから石の橋もアーチ橋も大好きです(笑)でも一般の記事は難しくて^^;
バスの中でポイントを説明してくだいます。
水無川にかけられたコンクリート製の橋のところでバスを降りて、
振り返ると雲仙普賢岳、
ここからなら手前のアーチ橋や後ろに控える島鉄のトラス橋までよく見えました。
担当の方がアーチ橋の作り方の手順について説明してくださったのでとてもよく理解できましたよ。
アーチ橋の手前には火砕流用のダムもありました。
平成3年、今から26年前に普賢岳からの火砕流がこの川を埋め尽くしたのですね。
今までニュースで見るだけだったのでいまいちイメージがつかめなかったのですが、雄大な普賢岳を前にすると大自然の前では為す術がなかったことでしょう。
バスからもアーチ橋を見ながら、待ちに待ったお昼ごはん。
道の駅 みずなし本陣に到着。
このモニターツアーにはお昼ごはんもついているのですが、冷えた唐揚げとご飯?(bさま、冷たいご飯が苦手・・・)
と思っていたら何と!具雑煮でした。
お餅や鶏肉入りの暖かい具雑煮一同大満足。
デザートは水のきれいな当地ならではの寒ざらし{白玉が蜜の中に入っている}でした。
一日イチソフトヽ(^o^)丿
サクマのドロップの寒ざらし風バージョンです。
お腹一杯で睡魔が襲ってくるところですが、移動の間に次の目的地の説明があるので眠気を振り切って聞かないと。
アーチ式石橋の田中橋でした。
所在地: 北有馬町乙 田中
形 状: 橋長:13.7m 橋幅:3.9m 径間:9.5m
建造年: 明治36年 1903年
橋のたもとの表示に明治三十六年と読み取れます。
おぉ~なんて素晴らしい。眠気なんて吹っ飛びましたよ(笑)
黄葉のイチョウと柿の枯木が晩秋の風情を一層盛り上げてくれました。
そして次に訪れたのは同じく北有馬にあるアーチ式石橋の元平橋
所在地: 北有馬町 坂上下名田中
形 状: 橋長:18.7m 橋幅:2.8m
建造年: 大正10年 1921年
アーチ橋のカーブが美しいです。
ただ、上を車道にするためコンクリートで固められていることが残念でした。
本来なら3つめのアーチ式石橋を見る予定でしたが時間の都合でパス。前を通ったのですが写真が間に合いませんでした。残念無念。
次の目的地は天草四郎ゆかりの原城跡。バスを降りたらこの景色。うーん、毎日この景色を見て生活していたら細かいゴチャゴチャなんてどうでも良くなるだろうな(笑)
天草四郎のお墓
故郷を向いて佇むフランシスコ・ザビエル、天草四郎、天草四郎の姉の三体のお地蔵さんが印象深い場所でした。向こうに見える島、湯島が長崎県と熊本県との境になります。
最初に書いた通り、ここ、原城跡では専門のガイドさんがお話してくださいました。
何ともテンポの良い。説明を聞きながら、まるで大河ドラマの一場面を見るかのように情景が目に浮かぶようでした。
今回は時間の都合上、有馬キリシタン遺産記念館と日野江城跡に行けなかったのが残念。リベンジしないと。
ガイドさんにお別れして、次のポイントまではひたすら海岸線沿いを走ります。2008年までは島原外港から加津佐駅まで島原鉄道南目線が走っていた場所。
アップダウンもなく走りやすい場所なのでぜひともサイクリングロードにしてほしいです。
明治32年(1899年)三井財閥が作りあげた税関
この建物はかつて大牟田から運ばれた三池炭鉱の石炭を海外へ輸出するための税関でした。有明海が浅瀬のため、大きなタンカーが大牟田まで行けなかった時代です。
二班に分かれて、私たちはまず外観を見に行きます。当時、積み出しに使われていた階段がそのまま残っていました。
建物の内部です。
資料がほとんどだったので、一部屋ぐらいは復元して当時の思いに浸れるようになっていればいいと思いました。
沖縄のシーサが載った与論館。
こちらは石炭収集のために与論から来られた方の当時の生活を知る貴重な資料が展示されていました。
このすぐ近くに「口之津灯台」があるのに。と大騒ぎしていたら、館長さんが明日来るようにとおしゃって下さいました。
次の目的地までの間もずっと海岸線。加津佐海岸はかつて外国人の海水浴場として栄えた場所です。
移動のバスの中でロックシェッドについて基礎知識を学んで起きます。
越前海岸っぽい景色だなぁ、と思いましたが、ロックシェッドの他、雪を防御するスノーシェッドやアースシェッドなど幾つかの種類があるそうです。
ロックシェッドの上が森のようになっていて気になったのですが、これはわざと木を生やしておいて落ちてきた岩の緩衝材になるとのこと。
5年毎に点検もされているそうです。なるほど!日頃ツーリングの時に何気なく通っているロックシェッドやスノーシェッドですが、その役目や構造についてよくわかりました。
それにしても越前海岸に似てるなぁ(笑)
ロックシェッドを見学した後はいよいよ最後の目的地へ向かいますが。バスがストップしたと思ったら前方で事故発生のようです。
何と!みんなで横転した車を押して路側帯へ、ちょっと衝撃的なイチ場面でした^^;
バスは何事もなかったように海岸線を走り
最後の目的地に到着しました。
近くには断層もあり、落ち込んだ断層で稜線が凸凹に見えました。
肝心の眼鏡橋ですが、一度崩れたため1997年に新品に組み直したとのこと^^;
元の石橋は何と階段になっていました。素人考えですが崩れた部分だけを直すことはできなかったのでしょうか。足りない部分だけど新しい石に替えるのはわかるのですが・・・
本日の行程がすべて終了、バスで島原駅に戻って今回のモニターツアーのアンケートを提出して解散になりました。次回は鉄道の廃線跡を辿るツアーなどぜひともお願いしたいところです。
島原駅に戻ってきて、ずっと行きたかった島鉄のショップへ。さすがに下着を買う勇気はなく(笑)
定規のセットですが、マウスパッドとして使えそうです。
そしてもう一つは南島原に来たら絶対に行きたいと思っていたグルメミッション。
KIEちゃんからちょうど再開されたよと聞いてナビをセットして伺いました。
あたりは既に暗くなり始め、ナビの案内通りではありますが農道から落ちそうになりながら現地に到着。
ずっと、ずっと食べたいと思っていた南島原有家のAtlier GIGIのタルトをゲットです。
こちらのタルト、以前からキル・フェ・ボンのに似てるなぁとは思ってたのですが、福岡のキル・フェ・ボンで修行されていたとか。京都でもお仕事されていたことがあるので話が盛り上がりました。
帰りにKIEちゃんところに半分おすそ分け。リビングのテレビを見てたら、見たことのある人が喋ったはるやん(笑)bさま、長崎のNHKでもちゃっかりデビューしてました(笑)
前回、中国・四国のNHKはチャリのイベントで取材していただきました^^;
KIEちゃんのところから雲仙のウネウネワインディングを走って帰ったのでタルトは一部崩壊しましたが、味は変わりなし。
この日はちょうどゲストハウスの前で屋台が出るイベントがありました。
唐揚げやらカレーやら。そしてデザートはもちろんフルーツタルトをいただきましたよ。
南島原と違って雲仙は激寒です。京都より寒いかも。でもせっかく雲仙に来たし、温泉のチケットがあるので真っ暗な道を歩いて行くのですが・・・ガラガラ~ごめんください!と靴を脱いで上がろうとしたのは、まったく普通の民家でびっくりされてました^^;そのお家の方も後で温泉に来られて、「温泉と間違えて上がり込もうとした人は初めて」だそうです。大変失礼いたしました。
こちらが、本当の温泉です(笑)
温泉は硫黄の香り漂う源泉かけ流し。もう何時間も浸かっていたい気分でした。
三日目に続く
Sunshine and Happiness